国民に寄り添いながら、新型コロナウイスルを国から徹底排除したとして、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相に注目が集まっています。
この記事では、アーダーン氏が国の長になった経緯や彼女の人柄、2017年当時労働党の課題についてなどご紹介します。
ニュージーランドでは2017年10月19日、労働党が新政府に決定しました。
それにともない、労働党の党首ジャシンダ・アーダーンさんは37歳の若さで国のトップに就任。
この記事では、NZの首相や政府について次のような内容をご紹介します。
(トップの写真はニュージーランドのサイトStuffからお借りしました。)
2017年話題の中心は労働党の党首 ジャシンダ・アーダーンさん
出典:Stuff
2017年の選挙は、国民党から労働党に政権交代があり、大きな話題に。
しかし、やはりなんといっても新しい首相ジャシンダ・アーダーンさんに注目が集まりました。
- 37歳の女性首相の誕生
- NZの歴史上2番目に若い首相
- NZ歴代3人目の女性の首相
NZで女性の首相は、実は初めてじゃないことにも驚きます。
さて、選挙のたった数ヶ月前に、労働党の党首となったジャシンダさん。
年齢が若いので、大丈夫?と思われていた節もあります。
しかし、党首の討論会では国民党のベテラン、ビル・イングリッシュさんにも負けじとがんばっていました。
そして、次のような国民の期待が、ジャシンダさんを新首相にしたような気がします。
- 庶民的な目線を持っていること
- 今のニュージーランドに何か変化を起こしてくれそうだ
ジャシンダ・アーダーン首相ってどんな人?
ジャシンダさんは昔から「人を助けること」がしたかったそうです。
どうすれば人助けができるか、そう考えるうちに
と気づきました。
彼女の叔母マリーさんによるとジャシンダさんは、小学校でいじめられていた彼女のお姉さんを守ったそうです。
小さいころから「人を助けたい」という強い信念は変わっていないことがうかがえますね。
ジャシンダさんいわく、
「私は今でも当時の5歳のままなんですよ」
彼女はニュージーランドのワイカト大学で
- 政治学
- パブリック・リレーションズ
を専攻し、コミュニケーション学の学士を取得します。
成績はすべてA!
2005年には多くのニュージーランドの若者がするように、海外で新しい体験をするためにニュージーランドを離れます。
彼女はアメリカとイギリスへと渡って経験を積みますが、イギリスではトニー・ブレア首相の事務所でも働いたそうです。
そして、ニュージーランドに帰ってきた彼女は、28歳の若さで国会議員になります。
今の彼女は、首相を9年間務めた労働党のヘレン・クラークさんに指導を受けていたことにも大きく影響されています。
ジャシンダさんは、
- 子供の貧困問題
- ホームレス問題
など社会問題にも積極的です。
就任直後のジャシンダさんに、いくつかの質問が投げかけられました。
- 「新しい政府」とは?
「国民に焦点を当てます。
私たちはニュージーランド人の幸福で健康な状態をつくり出すことに焦点を当てます。」
- 労働党が提供する「国民党が果たしえなかったこと」は?
「変化です」
と一言、かっこいいですね。
ニュージーランド人の期待を背負って首相となったジャシンダさん、今回のパンデミックへの対応で、より国民からの信頼が厚くなっているのを感じます。
ところで、ジャシンダさんは首相に就任後、元気な女の子を出産され、産休も取られました。
記事にまとめましたので、よかったらご覧ください。
9年目の政権奪還!「労働党」新政府誕生の経緯は?
少し、現NZ政府決定の経緯についてもご紹介します。
2017年9月23日の選挙から、26日もたって10月19日に新政府が誕生しました。
どうしてこんなに時間がかかったのでしょうか?
それにはこのような経緯があります。
選挙では以下ふたつの党の激しい接戦となりました。
- 与党の国民党(National Party)
- 最大野党の労働党(Labour Party)
選挙の結果、国民党が一番多く票を取ったものの、どちらの党の獲得議席数も過半数に達しなかったのです。
そのため、選挙で第3党となったウインストン・ピーターズ氏↓率いる
が「どの党と連立するか」が大きな焦点となっていました。
出典:Stuff
そしてニュージーランドファースト党が、労働党と連立することを決定したため、
↓
労働党が政権を奪還
することになったのです。
3位の党がどちらにつくかによって新政権の党が決まるってちょっと変だなあと思うけど、そういう仕組みなんだね。
またニュージーランドの環境問題に積極的に取り組む
も労働党との政権協力をすることに合意しました。
ニュージーランド労働党の政策4つの焦点とは?
出典:Stuff
最後に、労働党率いる新政府の政策についてご紹介します。
労働党は選挙前、主に次の4つの政策を掲げていました。
- 住宅問題
- 医療・ヘルスケア問題
- 子供の貧困問題
- 川の汚染問題
ひとつずつ簡単に説明します。
①住宅問題
オークランドの住宅問題は近年深刻さを増しています。
住宅の値段の高騰によって、平均的な収入があってもオークランドでは家を買うことはとても難しくなっています。
住宅の価格が高騰している原因をふたつあげます。
①増加し続ける移民
ニュージーランドは毎年多くの移民を受け入れています。
多くの移民はオークランドに定住するため、慢性的な家不足状態が起こっています。
②外国人投資家
外国人による投資目的での中古物件の購入により、住宅の値段が高騰しています。
②医療・ヘルスケア問題
ニュージーランドでは税金により、病気の場合は費用が無料で手術など受けられます。
しかし、次のような問題が起きているのも事実です。
- 慢性的な病院のベッド不足
- 医師や医療機器の不足の問題
ひどいケースでは1年以上手術待ちということも。
また若者の精神ケアも遅れており、早急な対応が求められています。
③子供の貧困問題
お金がなくて学校に行けなかったり、ランチを持たせる余裕がなくて学校でお腹をすかしている子供たちが増えています。
④川の汚染問題
ニュージーランドの主要産業の「酪農」ですが、酪農農家からの汚水によって川が汚染されています。
クリーンなイメージのあるニュージーランド、美しい川を守るために早急な対策が求められています。
2017年NZ新首相アーダンさんと政府誕生のまとめ
2017年の選挙はひさびさに国民の注目度も高く、しばしば話題となっていました。
国民党の政策は国の経済が豊かになるために役立ったのかもしれません。
しかし、私たち個人レベルにはあまり恩恵がなかったような気がします。
それに対して今回新政権の労働党は、次のような、私たちの生活に直接的に関係ある問題に着手してくれそう。
という期待が高まったのも、新政権誕生の理由のひとつだったような気がします。
- 住宅問題
- 子供の貧困問題
- 医療問題 など
今年2020年に選挙が行われます。
私は、アーダーン首相が率いる労働党は、2019年クライストチャーチでのテロ事件や新型コロナへの対応をへて、国民の信頼を勝ち得ていると感じます。
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