「Kia kaha(キア カハ)」という言葉を見たり聞いたりするけど、どういう意味?
そんな疑問にこの記事では、Kia kahaの意味や、ニュージーランドで実際に使われた3つの場面などをご紹介します。
日常生活での使い方もまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
Kia kahaの意味
「Kia kaha(キア カハ)」というフレーズは一般的に、次のような意味で使われます。
日本語で一番近い言葉は「がんばれ」かな。
ただ、一方的に「がんばってください」というよりは、
という寄り添う気持ちが入っている感じです。
ですので、ニュージーランドでは災害や事件があったときや、みんなで何かをやりとげたいときに使ったりします。
この「Kia kaha」という言葉は英語ではなく、ニュージーランドの原住民マオリの人々の「マオリ語」。
ニュージーランドの【マオリ語週間】って何?
マオリの人々は約1,000年ほど前、ポリネシア地方から大きなカヌーに乗ってニュージーランドの島国にやってきたといわれています。
彼らはニュージーランドを「アオテアロア−長く白い雲のたなびく場所」と名付けました。
現在マオリの人口は約15%ほどで、マオリ語はニュージーランドの公用語です。
さて、マオリ語のKia kahaの意味は辞書によると3つありますよ。(参考:Maori Dictionary)
- be strong(強くあれ)
- get stuck in(懸命にやっていこう)
- keep going(止まらず進んでいこう)
1番目に「強くあれ」がきていますが、使うときは3つの意味がすべて合わさっているように思います。
「ハカ」ではなくて、「カハ」だよ。
では続いて、「キアカハ」の使い方を見てみましょう。
Kia kahaの使い方
「Kia kaha」は自分にも、そして他人にも使えるフレーズ。
また、「がんばれ〜」というプレッシャーや押し付けがましさがないのも特徴です。
そしてとても短く覚えやすいので便利。
特にニュージーランドでは浸透している言葉なので、機会があればぜひ使ってみてください😊
- お見舞いメッセージカードの一番下に添える
- 落ち込んだときに自分への言葉として書いてみる
- 災害や事件にあった人へ「がんばって」とは言いにくいときに使う
Kia kahaがニュージーランドで大きく使われた3つの場面
最後に、ニュージーランドではどのように「Kia kaha」が使われてきたのかをご紹介します。
特に最近3つのできごとで有名になったフレーズなので、順番にご覧ください。
①カンタベリー地震
Kia kahaがニュージーランド国内だけでなく、世界からのメッセージとしても使われたのがカンタベリー地震です。
2011年2月22日、南島クライストチャーチでマグニチュード6.3の大地震が発生しました。
3月には東北地方太平洋沖地震が起こったので、覚えている方も多いのではないでしょうか?
死者は日本人28名を含め185名にものぼりました。
クライストチャーチのシンボル大聖堂が崩壊し、4万〜5万棟に被害が出た大災害だったんです。
このカンタベリー地震の際に多くの人が使った言葉が「Kia kaha」でした。
Kia Kaha Christchurch. Today marks the ten year anniversary of the Ōtautahi/Christchurch earthquake, where 185 lives were tragically lost. We remember them and continue to rebuild, together #ChristchurchStrong pic.twitter.com/caNfVyymV8
— Green Party NZ (@NZGreens) February 21, 2021
FacebookなどSNSでも毎日のように使われ、被害にあった家族や友だち、そしてクライストチャーチをサポートするフレーズとして有名になりました。
②クライストチャーチモスク銃乱射事件
ふたつ目は同じくクライストチャーチで起きた、モスクの襲撃事件です。
2019年3月15日、クライストチャーチのモスク2ヶ所が襲われ、51人が死亡しました。
現代ニュージーランド史上最悪の犯罪事件で、犯人はニュージーランドではじめての「仮釈放なしの終身刑」。
また銃規制問題にも発展しました。
このときにたくさん使われたフレーズが次のふたつです。
- Kia kaha(強くあれ)
- We Are One(私たちはひとつ)
ラグビーニュージーランド代表チーム「オールブラックス」もツイッターで「Kia kaha」の言葉をクライストチャーチに送っています。
Christchurch, we stand with you during this time. Our thoughts and sympathies are with everyone affected by today’s tragedy. Stay strong. Kia Kaha. 🖤
— All Blacks (@AllBlacks) March 15, 2019
また英国王室はクライストチャーチの地震とモスク襲撃の際、メッセージに「キア カハ」のフレーズを使用しました。
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③新型コロナのロックダウン
そして「キア カハ」がたくさん使われた3つ目の機会は、2020年に新型コロナウイルスでニュージーランドが都市封鎖になったときです。
3月25日に警戒レベルが最高の4に引き上げられ、4月27日までニュージーランド全体が今まで経験したことのない事態に。
ロックダウンという大きな決断をしたジャシンダ・アーダーン首相は、テレビで毎日のように次のフレーズを繰り返しました。
- Kia kaha (強くあれ)
- Be Kind (やさしくあれ)
国民は不安も大きかったのですが、スローガンを心にとめて乗り越えたともいえます。
このように、ニュージーランドでは「キアカハ」が自分や他人をサポートするいろんな場面で使われています。
そのほかにも、次のような使われ方もあるのでまとめてご覧ください。
- 第二次世界大戦中のマオリ軍のマーチングソング
- 演説に賛成する「Hear hear! – そうだそうだ!」の代わり
- ニュージーランド警察のいじめをなくすキャンペーン名
- 手紙の一番下の別れの挨拶
- 学校のモットー
アメリカのプロバスケットボールリーグNBAで活躍するNZ人スティーブン・アダムズ選手を知っていますか?
彼が背中に「Kia kaha」と書かれたジャージでプレーしたことも話題になりました。
Bigger Than Basketball • KIA KAHA
Jazz 🎷 v Thunder ⚡️
Tip-off 7:30AM NZ Time#SportsTalkNZ #ThunderUp #StevenAdams 🥝 #KiwisAbroad #BasketballTalk pic.twitter.com/jZs3irfaWS
— SportsTalkNZ (@Sports_Talk_NZ) August 1, 2020
まとめ
この記事では、ニュージーランドのマオリ語「Kia kaha」の意味や使い方、実際に使用されたケースをご紹介しました。
短く覚えやすいフレーズなので、「がんばって」とは言いにくいときに「一緒に前に進もう」という気持ちでぜひ使ってみてくださいね。
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