ニュージーランドの宗教は?割合と特徴をわかりやすく解説【最新の国勢調査】
ヨーロッパ系、マオリ系、アジア系など、さまざまな背景を持つ人々が暮らすニュージーランド。
「実際、宗教ってどれくらいの人が信仰してるの?」と気になりませんか?
最新の国勢調査(2023 Census)では
結論として「無宗教」が過半数(51.6%)になりました。
そして宗教の中で最も多いのが、キリスト教(32.3%)です。
この記事では、公式の最新データをもとに、ニュージーランドの宗教の割合・変化・背景をわかりやすくご紹介します。
ニュージーランドの宗教の割合
まずは、ニュージーランドにおける宗教の割合からご紹介します。
2023年国勢調査(Stats NZ)で公表されている主要項目を、見やすく表にしました 😊
| 宗教 | 割合(%) | ひとこと |
|---|---|---|
| 無宗教 | 51.6% | ついに過半数 |
| キリスト教 | 32.3% | 最大の宗教グループだが減少傾向 |
| ヒンドゥー教 | 2.9% | 増加が目立つ |
| イスラム教 | 1.5% | 緩やかに増加 |
| マオリ宗教 | 1.3% | リンガトゥ教/ラタナ教など |
| 仏教 | 1.1% | 移民背景で一定数 |
| シク教 | 1.1% | 増加が続く |
※国勢調査の「宗教」の項目は、本人が自分で答える自己申告です。
※2023年は回答の欠損を補うために過去データの参照や推計も使われています。
ポイント
- 無宗教が過半数(51.6%)になった
- キリスト教は32.3%で、2018年の36.5%より減少した
- ヒンドゥー教・イスラム教・シク教など、移民背景の宗教が増加傾向
多民族国家らしく、宗教の種類も非常に多様ということがわかります。
ニュージーランドで無宗教が多い理由
無宗教であると答える人は年々増加していて、過去の統計と比較すると次のようになります。
【国勢調査で無宗教と答えたNZ人の割合】
| 2001年 | 29.6% |
| 2006年 | 34.7% |
| 2013年 | 41.9% |
| 2018年 | 48.2% |
| 2023年 | 51.6% |
参考:Stats NZ(ニュージーランド統計局)
ニュージーランドで無宗教の人が多い背景には、いくつかの社会的な理由があります。
ニュージーランドで無宗教が多い主な理由
- 欧米社会で進んできた「世俗化」(宗教の社会的影響が弱まる流れ)
- 移民社会による宗教・価値観の多様化
- 国教がなく、信仰が完全に個人の自由として扱われている
大きく関係しているのは、欧米社会で進んできた「世俗化」と、多文化社会ならではの価値観の多様化と言われています。
ニュージーランドはもともとイギリス系の文化を基盤にした国ですが、近年はアジアや中東など、さまざまな地域からの移民が増えています。
そのため社会の中には、キリスト教だけでなく、ヒンドゥー教・イスラム教・仏教など、さまざまな宗教が共存するようになりました。
特定の宗教が社会の中心になるというよりも、「それぞれの信仰を尊重する」という考え方が強いのが特徴なんです。
また、ニュージーランドには国教がなく、国家と宗教が強く結びついているわけではありません。
そのため、宗教を信じているかどうかは完全に個人の価値観として扱われ、信仰を持たないという選択も自然に受け入れられています。
一方で、クリスマスや結婚式、葬儀などでは教会文化が登場することも多く、宗教が完全に消えているわけではありません。
つまりニュージーランドでは、宗教が強い信仰として社会を支配しているというより、文化の一部としてゆるやかに残っているという印象です。
このような背景から、宗教を特に持たない「無宗教」と答える人が増えていると考えられています。
キリスト教は今も多い?宗派別の特徴
そして無宗教の次は、キリスト教が約3割をしめます。
とはいえ、キリスト教を信仰する人の割合は年々減少しているんです。
【キリスト教を信仰する人の割合の推移】
| 2001年 | 58.9% |
| 2006年 | 54.2% |
| 2013年 | 47.7% |
| 2018年 | 36.5% |
| 2023年 | 32.3% |
参考:Stats NZ(ニュージーランド統計局)
キリスト教といってもいろんな宗派があるので、結果をもう少し詳しく見てみましょう。
ニュージーランドのキリスト教の主な宗派
ニュージーランドのキリスト教は、次のような宗派が代表的です。
- Anglican(英国国教会系)
- Catholic(カトリック)
- Presbyterian(長老派)
地域による宗派の違い
ニュージーランドは、地域の移民史によって教会の雰囲気が変わるのが興味深いところ。
NZ統計局の地域別調査によると、地域によって強く信仰されているキリスト教の宗派が異なることがわかっています。
- 北島から南島の真ん中辺りまでは、英国国教会やカトリックが多い。
- 南島の南方は、スコットランドの国教、長老派教会が多い。
たとえば私の住む南島のダニーデンは、スコットランド移民の歴史が色濃くて、長老派の存在感が大きい街です。
一方で、中心部には英国国教会の大聖堂もあって、「ひとつの街に歴史が重なってる感じ」もあります。
実際、ダニーデンの町の中には、3つの宗派の異なる大きくて美しい教会がありますよ。
名前をクリックするとそれぞれの記事に移動しますので、よかったらご覧ください 😊
ダニーデン中心部の教会(関連記事です)
- セント・ポール大聖堂(英国国教会系)
- ファースト教会(長老派)
- セント・ジョセフ大聖堂(カトリック)
増えている宗教(ヒンドゥー教・イスラム教・シク教)
ではキリスト教の割合が減っている一方で、比率が増えている宗教についてみてみましょう。
前回2018年の調査から特に増えているのが次の宗教です。
| ヒンドゥー教 | 2.9% | 主にインド系移民の増加により増えている |
| イスラム教 | 1.5% | 中東・南アジア系移民の増加で緩やかに増加 |
| シク教 | 1.1% | インドのパンジャーブ系移民を中心に急増 |
これらの宗教の増加は、ニュージーランドが移民国家であることをよく表しています。
特にインド系コミュニティの拡大は近年顕著で、宗教構成にもその影響が映し出されました。
ヒンドゥー教(2.9%)
ニュージーランドではインド系コミュニティの拡大により、ヒンドゥー教の割合が増えています。
2018年の2.6%から、2023年には2.9%に増加しました。
オークランドでは「ディワリ(光の祭り)」が大きなイベントとして開催されるなど、インド文化を身近に感じる機会も増えています。
イスラム教(1.5%)
イスラム教も近年ゆるやかに増えている宗教です。
割合は2018年の1.3%から、2023年には1.5%になりました。
主要都市にはモスクがあり、ハラール食品を扱うレストランやスーパーも増えています。
シク教(1.1%)
シク教はインド北部のパンジャーブ地方で生まれた宗教で、ニュージーランドでは特に増加が目立ちます。
割合は2018年の0.9%から、2023年は1.1%になりました。
インド系移民の増加とともに、ニュージーランドの宗教の多様性を象徴する存在になっています。
マオリの宗教とは?
ニュージーランドならではという意味で外せないのが、マオリの宗教的な世界観です。
マオリの伝統的な世界観では、祖先や自然と人間は深くつながっていると考えられてきました。
山や川、森などの自然には霊的な力「Mana(マナ)」が宿るとされ、祖先とのつながりもとても大切にされています。
また19〜20世紀には、マオリの文化や信仰を背景にした宗教運動としてRingatū(リンガトゥ教)やRātana(ラタナ教)なども生まれました。
これらはキリスト教の影響を受けながら、マオリの価値観や共同体の結びつきと深く関わっている宗教です。
そのためマオリの宗教は、単なる「信仰」というより、歴史・文化・共同体の価値観と結びついた精神的な世界観として理解されることも多いです。
日本とニュージーランドの宗教観は似ている?
数字だけを見ると「無宗教が多い」という点で、日本とニュージーランドは少し似ているようにも見えます。
実際、日本でNHKが2018年に行った調査では、宗教を信仰していると答えた人は36%でした。
とはいえ
- お正月には神社へ初詣
- お葬式では僧侶がお経をあげる
など、宗教に関わる習慣は、日本の生活の中に自然と残っていますよね。
ニュージーランドでも似たような面があります。
たとえば、クリスマスをお祝いしたり、結婚式を教会で行ったり、葬儀では神父や牧師が儀式を行うことがあります。
これらは歴史的にキリスト教文化の影響を受けた習慣です。
このように、どちらの国でも宗教が社会を強く支配しているわけではありませんが、文化や習慣として宗教が生活の中に残っているという共通点があります。
そのため、ニュージーランドで「無宗教」と答える人の多くも、宗教そのものを完全に否定しているというより、特定の宗教を強く信仰していないという意味合いに近いと言えるかもしれません。
ニュージーランドの宗教まとめ
この記事では、ニュージーランドの宗教について、最新の統計からご紹介しました。
次の3つのポイントが見えてきたと思います。
- 無宗教が51.6%で過半数
- キリスト教は32.3%で減少傾向
- ヒンドゥー教・イスラム教・シク教など、多様な宗教が共存
この結果から見えてくるのは、ニュージーランドが宗教的にとても自由で多様な社会だということです。
特定の宗教を強く信仰する人は減っていますが、キリスト教文化の影響や移民による多様な宗教が、社会の中で共存しています。
そのためニュージーランドでは、宗教が生活を強く縛ることは少ない一方で、文化や価値観の一部として自然に存在していると言えるでしょう。

