2022年10月29日、国立競技場で行われた、ラグビー日本代表とニュージーランド代表の戦い。
31-38と最後まで「ジャパンが勝つのでは!」と思わせる興奮するテストマッチでした。
ニュージーランドではこの試合がどのように報道されているのか、気になる方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、メディアの反応の一部を要約し、まとめました。
ぜひ試合を思い出しながらご覧くださいね😊
記事をすべて載せられなかったので、おもに日本チームに関するところを抜粋し意訳しています、どうぞご了承ください🙏

日本代表チームへの賞賛&オールブラックスへは厳しい言葉、というのがほとんど!
【Stuff】錆びついたオールブラックスがプレッシャーの中なんとか日本に勝利
出典:Stuff
全国のニュースを報道するStuffでは、翌日の朝の時点で4記事も試合に関連する記事が掲載されていました。
その中から、シニアスポーツライター、マーク・ヒントンさんの記事をご紹介します。

オールブラックスについてはなかなか辛辣な批判…
敬称は略させていただきました🙏
日本に敬意を表しよう。
ニュージーランドに対しては…?
土曜日、国立競技場には6万5千人のファンが集まった。
その前でオールブラックスは、ジョセフHCが率いる熱く勇敢なジャパン戦士たちに38-31と、勝利ながらもすばらしいとはいえない結果を残した。
2022年に入りずっとオールブラックスにつきまとう疑念は、北半球ツアーの初戦が行われた東京でも消えていない。
来年フランスで開催のワールドカップに必要なレベルには到達していない…という心配を拭い去ることはできなかったのだ。
ABsは未完成であり、リズム・まとまり・試合への正確性を見出すには時間が足りないのではないか。
一方、ジャパンはすばらしかった。
彼らは競い、挑戦した。
徹底的に全身全霊でタックルし、スピードと強い信念を持って走った。
日本代表チームは、自分たちはラグビーの世界上位レベルに立つ存在である、ということを明確に示したのだ。
フランカーの姫野をはじめ、ニュージーランド出身のロック-ディアンズ、フィフィタ、ライリー、山中ら、ワールドクラスのプレーヤーを擁している。
しかし、ジャパンチームがすばらしいのは、彼らが精神・闘争心を共有し、そして団結力があるからだ。
今のオールブラックスに同じことはいえない。
試合内容に関し、ニュージーランド代表はラグビーチャンピオンシップの後、1ヵ月ほど活動していなかったため鈍りは予想されたが、それでも残念な結果だ。
前半のオールブラックスは精度の低いキック、フォワードはドライブ・キャリー・セットプレーにおいてフィジカルに攻められず、アタックのプレーは乱れがち、とリズムをつかめなかった。
ジャパンは序盤ディフェンスに徹したが、攻撃のチャンスを作ると巧みなパスと力強いラン、そしてスピードあふれる動きでオールブラックスを大いに悩ませる。
そのため、ABsは最初の20分でレタリックが決めたトライ1本にとどまった。
しかし前半の中盤以降は流れがよくなり、エノー、リースがトライを決め21-3と突き放した。
ここで試合は新しい局面を迎える。
前半に61回のタックルを記録した日本代表はNZにプレッシャーを与え続け、ターンオーバーを勝ち取り、チャンスをつかむ。
そして山沢と流が得点して21-17まで追い上げ、試合を振り出しに戻したのだ。
後半も同じような展開になった。
オールブラックスはふたつのトライを決め勝ち抜けようとしたが、日本は食らいついた。
最後まで互角に戦い、勝利はできなかったものの、すばらしい成果を成し遂げたのだ。
また別記事には、同じくシニアスポーツジャーナリストのリチャード・ノウラーさんの記事。
下に、特に日本チームに関したところをピックアップしました。
オールブラックスは確かに日本を38-31で破った。
しかし、なんと醜く、不安な北半球ツアーのはじまりだろうか。
ニュージーランド代表は国立競技場で5トライをあげたが、勝利のために本当に四苦八苦した。
試合の前は、テストマッチ初先発となるトゥイヴァサ・シェックやペロフェタの活躍を楽しみにしていたのだ。
しかし試合が終わってみると、ブレイブブロッサムズの選手の話題ばかりになってしまう。
特に、リーチ、ディアンズ、フィフィタ、ライリー、山沢は、驚異的な存在であった。
前半の山沢と流のトライはABsを揺さぶり、前半終わって4点差という事実に驚愕させた。
ハーフタイムでのオールブラックスコーチ陣からのメッセージは伝わったのか?
いや、とんでもない。
この日の本当のヒーローはジャパンだった。
日本代表は、試合終了まで残り数分というところでフランカー姫野がトライを決め、もう少しで奇跡に手が届くというところまで追い詰めた。
確かに最後はオールブラックスが逃げ切って勝った。
しかし、オールブラックスがやりかったのは、北半球遠征を最高の形ではじめること。
代わりに、彼らは多くの失敗をしたのだ。
そんなゲームだった。
このジャーナリストさんは、オールブラックスについてかなり厳しいですね 😱
でもだからこそ、ジャパンについても本音というか、実際に感じたことを伝えているような気もします。
ちなみに、彼はこの日のオールブラックスのパフォーマンスを10点評価で3点。
MVPにはリーチ選手をあげていました。
【RNZ】オールブラックスはジャパンを38-31で破る-満足といえないツアーの幕開け
出典:RNZ
続いて「ラジオニュージーランド」という、国営ラジオ局系のニュースメディアの記事でジャパンに関するところを中心にご紹介します😃
(注:ロイターの記事の引用もしているようです。)
オールブラックスは38-31で日本に勝利したが、エンドオブイヤーツアーはぎこちないスタートとなった。
ニュージーランドは前半終わって21-17というほんのわずかな差でリードしたが、試合最初のトライを決めたレタリックは残り14分、危険なクリーンアウトで退場となる。
その後77分、ブレイブブロッサムズの傑出したフランカー、姫野がトライを決め、終了間際に4点差に迫った。
しかし、最後は14人で戦ったニュージーランドがペナルティを獲得し、勝利を手に入れる。
直前のメンバー変更などがあったオールブラックスだが、国立競技場に集まった6万人以上の観衆の前で、とてつもない恐怖を味わったのだ。
ジャパンは動くものすべてをタックルし、攻め続けた。
3度の世界チャンピオンに輝くチームに対し、今までのテストマッチでもっとも僅差に迫った戦いだった。
まとめ
この記事では、10月29日に行われた日本代表対オールブラックスの試合について、ニュージーランドでの報道をご紹介しました。
今回、ニュース記事のいろんなところで目にした、オールブラックスに対する表現が

直訳すると「説得力のない」ということになるのですが、なかなか日本語にするのがむずかしい…
今回の試合を踏まえて意訳すると、こんな感じになるのかな、と思います。
- Unconvincing All Blacks
満足でないパフォーマンスのオールブラックス
- Unconvincing start of the tour
不安定なツアーのはじまり
疑わしいツアーのはじまり
- Unconvincing victory
すばらしいとはいえない勝利
印象的でない勝利
NZのスポーツジャーナリストたちが
オールブラックスの実力に不安を感じている
とともに
ジャパンは対等、もしくはそれ以上にすばらしいパフォーマンスと気迫でチーム一丸となり戦った
という印象がどの記事からも私は読み取れました。
これから両チームともヨーロッパ遠征がはじまりますが、たくさんの声援を送りましょう!
【関連記事】
コメント